東京地方裁判所 昭和57年(ワ)8203号 判決 1984年3月30日
原告(反訴被告)
鈴木久
被告(反訴原告)
須貝一雄
主文
一 被告(反訴原告)は原告(反訴被告)に対し、金二三五万三一六八円及びこれに対する昭和五七年七月一〇日から完済まで年五分の割合による金員を支払え。
二 原告(反訴被告)は被告(反訴原告)に対し、金一三万五〇〇〇円及びこれに対する昭和五七年一月二四日から完済まで年五分の割合による金員を支払え。
三 原告(反訴被告)のその余の請求を棄却する。
四 被告(反訴原告)のその余の請求を棄却する。
五 訴訟費用は、本訴反訴を通じてこれを四分し、その一を原告(反訴被告)の、その余を被告(反訴原告)の各負担とする。
六 この判決は、主文第一、二項に限り仮に執行することができる。
事実
第一当事者の求めた裁判
(本訴)
一 請求の趣旨
1 被告は原告に対し、金三九一万六五五七円及びこれに対する昭和五七年七月一〇日から完済まで年五分の割合による金員を支払え。
2 訴訟費用は被告の負担とする。
3 仮執行宣言
二 請求の趣旨に対する答弁
1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
(反訴)
一 請求の趣旨
1 反訴被告は反訴原告に対し、金三三万円及び内金二八万円に対する昭和五七年一月二四日から完済まで年五分の割合による金員を支払え。
2 訴訟費用は反訴被告の負担とする。
3 仮執行宣言
二 請求の趣旨に対する答弁
1 反訴原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は反訴原告の負担とする。
第二当事者の主張
(本訴)
一 請求の原因
1 事故の発生
(一) 日時 昭和五七年一月二四日午後九時五〇分ころ
(二) 場所 東京都練馬区旭丘一丁目五六番地先
(三) 加害車両 被告運転の普通乗用自動車(練馬五七め八〇三九、以下、須貝車という)
(四) 被告車両 原告運転の普通乗用自動車(足立三三せ四七七一、以下、鈴木車という)
(五) 態様 鈴木車が江古田方面から南長崎方面に向けて前記場所を進行中、左方交差道路から交差点に進入してきた須貝車と出合頭に衝突した(以下、本件事故という。)
2 責任原因
被告は、須貝車を運転し、右交差点に進入するに際し、一時停止して交差道路の通行の安全を確認すべき注意義務があるのにこれを怠り、一時停止せずに漫然と進行した過失があるから、民法七〇九条により損害賠償責任を負う。
3 権利侵害
(一) 原告は、本件事故により、頭部縫合創、頸椎捻挫、顔面打僕、両手打撲及び歯の折損の傷害を負い、昭和五七年一月二四日阿部医院で頭部縫合の治療を受け、同年一月二五日から同年二月一日まで八日間要町病院に入院し、同年二月二日から同月一三日まで同病院に通院し(実日数九日)、その後同年二月一八日から同年三月三一日まで四二日間鍼灸天鍼堂に通院し、同年二月一六日から同年三月二五日まで新出歯科医院に通院し(実日数九日)、それぞれ治療を受けた。
(二) 鈴木車は、本件事故によりガードレールに激突して大破した。
4 損害
(一) 傷害慰藉料 金三五万円
(二) 交通費 金三万七七五〇円
(三) 雑費 金三万円
(四) 車両修理代 金三一九万八八〇七円
車両修理代金三五五万四二三〇円の九割を請求する。
(五) 弁護士費用 着手金三〇万円及び認容額の一割
(六) 合計 金三九一万六五五七円
(弁護士費用は金三〇万円として計算)
5 よつて、原告は被告に対し、右金三九一万六五五七円及びこれに対する訴状送達の日の翌日である昭和五七年七月一〇日から完済まで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の支払を求める。
二 請求の原因に対する認否
1 請求の原因1の事実は認める。
2 同2の事実は否認する。被告は、本件事故現場の交差点に進入する際、同交差点手前で一時停止し、鈴木車進行道路の交通の安全を確認した。
3 同3(一)及び(二)の事実は認める。
4 同4のうち、(一)は争う。(二)及び(三)の事実は不知。(四)及び(五)は争う。
鈴木車は全損状態であり、損害額はその時価相当の金一五〇万円である。すなわち、鈴木車は、一九七二年式のポルシエ九一一六であり、しかも当初から新車として輸入されたものではなく、それ以外のいわゆる並行輸入車であり、時価は一般市場における価格よりは相当低い。また、鈴木車は、事故当時整備済の車両ではなかつたので、その点でも相当価格が落ちていたものである。
三 抗弁
1 過失相殺
本件事故現場は、練馬駅方面から南長崎方面に通じる車道幅員九メートルの千川通りと、旭丘二丁目方面から江原三丁目方面に通じる道路(旭丘二丁目方面に通じる道路の幅員は四・二メートル、江原三丁目方面に通じる道路の幅員は二・七メートル)の交差点であつて、交差道路に対する見通しは悪く、信号機による交通整理は行われていない。
原告は、鈴木車を運転し、制限速度を約二〇キロメートル超えた時速約六〇キロメートルで練馬駅方面から車道左側部分を進行し、同交差点の手前に差しかかつたところ、須貝車が旭丘二丁目方面に通じる左方交差道路から時速約七キロメートルで同交差点に進入して来るのを約二〇・三メートル前方に認めたが、須貝車が進路を譲るものと軽信し、警音器の吹鳴及び減速徐行を怠り、前記速度のままハンドルを右に切つて中央線を右側に越え、須貝車の前方を強いて通過しようとした重大な過失があるから、損害額の算定にあたり過失相殺をすべきである。
2 弁済
被告は原告に対し、治療費として金八一万二四三〇円を支払つた。
四 抗弁に対する認否
1 抗弁1のうち、原告に過失があるとの点は争う。
2 同2の事実は認めるが、治療費は本訴請求外である。
(反訴)
一 請求の原因
1 事故の発生
(一) 日時、場所及び態様は本訴請求の原因1記載のとおり。
(二) 加害車両 鈴木車
(三) 被害車両 須貝車
2 責任原因
反訴被告は、本訴抗弁1記載のとおり、制限速度違反、警音器不吹鳴、徐行義務違反、車道左側部分通行義務違反の過失があるから、民法七〇九条により損害賠償責任を負う。
3 権利侵害
須貝車は、本件事故により大破し、全損状態となつた。
4 損害
(一) 車両損害 金二八万円
時価相当の損害金四〇万円のうち七割を請求する。
(二) 弁護士費用 金五万円
5 よつて、反訴原告は反訴被告に対し、右合計金三三万円及び内金二八万円に対する本件事故日である昭和五七年一月二四日から完済まで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の支払を求める。
二 請求の原因に対する認否
1 請求の原因1の事実は認める。
2 同2の事実は否認する。
3 同3の事実は否認する。本件事故により須貝車には右前部フエンダー凹損が生じたのみである。
4 同4は争う。
第三証拠
本件記録中の書証目録及び証人等目録記載のとおりであるから、これを引用する。
理由
一 まず、本訴について判断するに、請求の原因1(事故の発生)の事実は当事者間に争いがなく、主要な争点は被告の過失及び過失相殺(原告の過失)の有無であるから、この点について検討する。
1 いずれも成立に争いのない乙第六号証ないし第一四号証、原告及び被告の各本人尋問の結果並びに弁論の全趣旨によれば、以下の事実を認めることができ、右認定を覆すに足りる証拠はない。
(一) 本件事故現場は、練馬駅方面から南長崎方面に通じる車道幅員九メートルの千川通りと、旭丘二丁目方面から江原三丁目方面に通じる道路(旭丘二丁目方面に通じる道路の幅員は四・二メートル、江原三丁目方面に通じる道路の幅員は二・七メートル)の交差点であつて、鈴木車及び須貝車からの交差道路に対する相互の見通しは悪い。鈴木車の進行道路である千川通りには、本件交差点前方(東側)に車両を規制する対面信号機があり、千川通りと交差する須貝車の進行道路には車両を規制する対面信号機はなく、千川通りを横切る横断歩道(本件交差点東側)の歩行者用信号機があるのみである。従つて、鈴木車の進行道路は須貝車の進行道路と比較して広路であるということができる。また、本件交差点における鈴木車の進行道路の車両を規制する対面信号機は、前記歩行者用信号機が作動して青となる場合を除き、通常は青を表示していることになるから、須貝車の進行道路から本件交差点に進入しようとする車両の運転者は、交差道路の車両に対し、信号機の設置されていない交差点と比較して厳しい注意義務を負うというべきである。
(二) 被告は、須貝車を運転して旭丘二丁目方面から江原三丁目方面に向けて進行し、本件交差点手前まで来た際、運転しながら火のついたタバコを捨てたところ窓枠にひつかかつたため、これを取ろうとして交差点手前の一時停止線あたりで一旦停止し、タバコを拾つて再び吸いながら発進し、直後に千川通りを練馬駅方面から来た車が通過するのを見た後、左方交差道路や前方は見たものの、右方交差道路の車両の安全を確認することなく時速七ないし八キロメートルで本件交差点へ進入したところ、右方から千川通りを進行して来た鈴木車を約一一・五メートルの距離に初めて発見し、危険を感じて急ブレーキをかけると同時にハンドルを左へ切つたが間に合わず、鈴木車と衝突した。
(三) 他方、原告は、鈴木車を運転し、制限時速四〇キロメートルの千川通りを時速四〇ないし四五キロメートルの速度で練馬駅方面から車道左側部分を進行し、本件交差点手前に差しかかつたところ、須貝車が左方交差道路から低速度で交差点に進入して来るのを約二〇・三メートル前方に認めたが、須貝車が一時停止して進路を譲るものと思い、また、対向車両がないので須貝車の前方を通過できるものと誤つて判断し、警音器を鳴らすことも減速徐行することもなく、前記速度のままハンドルを右に切つて中央線を右側に越えて進行したため、須貝車と衝突した。
2 前記認定の事実によれば、被告は、本件交差点に進入するに際し、見通しの悪い右方交差道路の車両の安全確認を怠つて進行した過失があるから、民法七〇九条に基づき本件事故により生じた損害を賠償する責任を負う。
3 そして、前記認定の道路状況、特に鈴木車の進行道路が須貝車の進行道路と比較して広路であるうえ、被告は、本件交差点において交差道路の車両に対し、前記の厳しい注意義務を負うこと、本件事故態様、前記1(三)の事実に照らして認められる原告の過失(本件交差点に進入するに際し、事前に須貝車を発見しながら減速徐行をせず、また須貝車の前方を通過できるものと誤つて判断し、中央線を右側に越えて進行した過失)、前記2の被告の過失等を総合して判断すると、本件事故についての原告と被告の過失割合は、三対七と認めるのが相当である。
二 請求の原因3(権利侵害)の事実は当事者間に争いがない。
三 そこで、原告の損害について判断する。
1 治療関係費
いずれも成立に争いのない甲第二号証の一ないし三、乙第一号証ないし第五号証によれば、原告は、本件事故による傷害についての治療関係費として金八一万九三九〇円を要したことが認められ、右認定を左右するに足りる証拠はない。
2 傷害慰藉料
前記権利侵害の事実その他諸般の事情に照らすと、原告が傷害により被つた精神的苦痛に対する慰藉料は金三〇万円が相当と認める。
3 交通費
弁論の全趣旨により真正に成立したものと認められる甲第三号証の三及び原告本人尋問の結果によれば、原告は、本件事故により、交通費として少なくとも金三万七七五〇円を要したことが認められ、右認定を左右するに足りる証拠はない。
4 雑費
前掲甲第二号証の一及び弁論の全趣旨によれば、原告は、本件事故により、入院雑費として一日あたり金一〇〇〇円、八日分合計金八〇〇〇円を要したことが認められ、右認定を左右するに足りる証拠はない。
5 車両損害
(一) いずれも成立に争いのない甲第一号証の四、乙第一九号証、証人吉沢正孝の証言により真正に成立したものと認められる乙第一五号証及び同証言によれば、鈴木車は、一九七二年式のポルシエ九一一六であること、鈴木車の損害査定をした技術アジヤスター小島は、鈴木車の修理代を金三五五万四二三〇円と見積つたことが認められ、右認定に反する証拠はない。
しかし、原告は、一方で鈴木車を金三〇〇万円で購入した旨供述しており(原告本人尋問の結果)、この点を考慮すると、鈴木車は、本件事故により全損状態となつたとみるべきであるから、右修理見積額をもつて損害と認めることはできない。
(二) そこで、鈴木車の事故当時の価格について検討するに、原告は、鈴木車を株式会社オートパツシヨン(以下、オートパツシヨンという)から金三〇〇万円で購入し、引渡を受けた当日に本件事故に遭つた旨供述し(原告本人尋問の結果)、右購入価格については甲第八号証(領収証)及び第九号証(契約書)にこれに沿う記載がある。
もつとも、証人池田福一の証言により真正に成立したものと認められる甲第八号証、第九号証、同証言及び原告本人尋問の結果によれば、原告は、鈴木車を購入する際、原告が占有使用していた一九七三年式BMW三・〇Sを下取車としてオートパツシヨンに提供したこと、原告が現実に支払つた金額は、右下取車の評価額を控除した金一五〇万円であり、そのうち、昭和五七年一月一七日に金一〇万円、事故後の昭和五七年二月二八日に残金一四〇万円を支払つたこと、右同日金三〇〇万円の領収証が作成されたことが認められ、右認定を左右するに足りる証拠はない。
また、成立に争いのない乙第一八号証及び原告本人尋問の結果によれば、右下取車BMW三・〇Sは、原告の所有名義となつたことはなく、本件事故当時、オートパツシヨンの代表者である池田福一が代表者を兼ねている株式会社レモン屋の所有名義となつていたことが認められ、右認定に反する証拠はない。
右の各事実を考慮すると、原告主張の金三〇〇万円をもつて鈴木車の事故当時の価格として採用し得るか否かは、更に慎重な検討が必要である。
(三) そこで判断するに、前掲乙第一五号証、証人吉沢正孝の証言により真正に成立したものと認められる乙第一六号証、第一七号証及び同証言によれば、財団法人日本自動車査定協会東京都支所は、鈴木車は、ポルシエ社の日本総代理店である三和自動車株式会社を通さないいわゆる並行輸入車であり、総代理店を通したものと比べて整備状況がやや劣つており、事故当時の状態に照らすと、機能関係、内外装、付属品等をすべて整備して標準的な状態にするためには金一〇〇万円を要し、標準価格からこれを控除すると結局金一五〇万円となる旨の査定をしたことが認められ、右認定を左右するに足りる証拠はない。
(四) しかし、成立に争いのない甲第七号証の二ないし四、証人毛塚喜好の証言により真正に成立したものと認められる甲第七号証の一及び同証言によれば、一般に損害査定の目安とされているオートガイド自動車価格月報(外車版)を基礎にすると、一九七二年ポルシエ九一一六の本件事故当時の標準価格は金三〇〇万円位であることが認められ、右認定に反する証拠はない。
また、弁論の全趣旨により真正に成立したものと認められる乙第二〇号証、原告本人尋問の結果及び弁論の全趣旨によれば、前記下取車BMW三・〇Sは、昭和五五年七月に株式会社レモン屋に金一五〇万円で下取され、同年七月ないし八月ころ、原告に金一七五万円ないし二〇〇万円で販売され(ただし、所有名義の変更はない)、昭和五七年一月に鈴木車の下取車としてオートパツシヨンに下取され、その後同年六月に株式会社四季に金一五〇万円ないし一八〇万円で販売されたことが認められ、右認定を覆すに足りる証拠はない。
以上の事実に照らすと、原告が昭和五七年一月に鈴木車を購入する際に下取された前記BMW三・〇Sの当時の価格を金一五〇万円とすること、従つて鈴木車の購入価格を金三〇〇万円とすることに不合理な点はないというべきである。
(五) なお、前記財団法人日本自動車査定協会東京都支所の行つた鈴木車の査定価格金一五〇万円は、前記(四)の事実に照らすと、下取価格として厳しく査定する場合は格別、同種・同等の中古車を購入し得る金額としては低きに失することは否めないし、仮に右金一五〇万円を採用すると、前記下取車BMW三・〇Sの評価額を零とするに等しい結果となり、前記認定事実と矛盾することとなり、これを採用することはできない。
そして、前掲甲第九号証、原告本人尋問の結果及び弁論の全趣旨によれば、オートパツシヨンと原告との鈴木車の売買契約がなされたのは昭和五七年一月一七日であり、本件事故は原告が鈴木車の引渡を受けた直後の同月二四日に発生したことが認められる(右認定を覆すに足りる証拠はない)から、結局、原告が本件事故による鈴木車の全損により被つた経済的損失は、その購入価格相当の金三〇〇万円と認めるべきである。他に右認定を覆すに足りる証拠はない。
6 過失相殺
以上の1ないし5の金額を合計すると、原告が本件事故により被つた損害は、人的損害が金一一六万五一四〇円、物的損害が金三〇〇万円となるところ、前記判示の三〇パーセントの過失相殺をすると、残額は人的損害が金八一万五五九八円、物的損害が金二一〇万円となる。
7 損害のてん補(弁済の抗弁について)
被告が原告に対し、本件事故により傷害についての治療費として金八一万二四三〇円を支払つたことは当事者間に争いがないので、前項の金額から右金額を控除すると、原告の人的損害の残額は金三一六八円となる。
8 弁護士費用
本件事故と相当因果関係ある損害として被告に賠償を求め得る弁護士費用は、金二五万円と認めるのが相当である。
9 合計
以上を合計すると、原告の有する損害賠償債権は金二三五万三一六八円となる。
四 次に、反訴請求について判断する。
1 請求の原因1(事故の発生)の事実は当事者間に争いがない。
2 同2(責任原因)について判断するに、本訴請求について認定したとおり、反訴被告(原告)は、本件交差点に進入するに際し、事前に須貝車を発見しながら減速徐行をせず、また、須貝車の前方を通過できるものと誤つて判断し、中央線を右側に越えて進行した過失があるから、民法七〇九条に基づき本件事故により生じた損害を賠償する責任を負う。
3 そこで、損害について判断する。
(一) 車両損害
成立に争いのない甲第一号証の五及び反訴原告(被告)本人尋問の結果によれば、須貝車は、本件事故により全損状態となり、時価相当の金四〇万円の損害が生じたことが認められ、右認定を覆すに足りる証拠はない。
(二) 過失相殺
右金額について、本訴請求に対する判断において判示した七〇パーセントの過失相殺をすると、残額は金一二万円となる。
(三) 弁護士費用
本件事故と相当因果関係ある損害として反訴被告(原告)に賠償を求め得る弁護士費用は、金一万五〇〇〇円と認めるのが相当である。
(四) 合計 金一三万五〇〇〇円
五 結論
以上の次第で、原告(反訴被告)の本訴請求は、被告(反訴原告)に対し、前記金二三五万三一六八円及びこれに対する事故発生後で訴状送達の日の翌日であることが記録上明らかな昭和五七年七月一〇日から完済まで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があるから認容し、その余は失当として棄却することとし、被告(反訴原告)の反訴請求は、原告(反訴被告)に対し、前記金一三万五〇〇〇円及びこれに対する本件事故日である昭和五七年一月二四日から完済まで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があるから認容し、その余は失当として棄却することとし、訴訟費用の負担につき民訴法八九条、九二条を、仮執行の宣言につき同法一九六条を各適用して、主文のとおり判決する。
(裁判官 芝田俊文)